登記申請義務違反で過料？

本日は杉並区役所での無料法律相談会に相談員として参加しました。↓

自分の所有する不動産に関する様々な「悩み」を抱えている方から
相談を受け、助言を行うことにより感謝されることの喜びがあった反面

「境界の悩みを何処に相談してよいかわからない」
「土地家屋調査士ってどういう仕事なんですか？」
などのご意見も多数いただきましたので、
これまで以上にこのブログを通じて皆様にわかり易く「土地家屋調査士とは何か？」
ということをお伝えしなかればならない！
という危機感・使命感も感じました。

：：：：：：：：：：：：以下「本文」:：：：：：：：：：：：：：：：：：：

先日に引き続きはなこさんからのご質問にお答えします。
ご質問の内容は
登記には変更登記と更正登記があり、
変更登記は更新義務があり
一ヶ月以内に申請を出さないと罰金を支払わなくてはならないとか。
義務違反かどうかは法務局で調査をして決めるのでしょうか。
とのことです。

はなこさんは登記のことをよくご存知ですね。
おっしゃるとおりです。
不動産登記法では、土地については37条で

１．地目又は地積について変更があったときは、
表題部所有者又は所有権の登記名義人は、
その変更があった日から一月以内に、
当該地目又は地積に関する変更の登記を
申請しなければならない。
２．地目又は地積について変更があった後に
表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、
その者に係る表題部所有者についての更正の登記
又は所有権の登記があった日から一月以内に、
当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。

建物については51条で（条文が長くなるため省略させていただきます。）

で「変更があった日から一月以内に登記申請すること」
が義務付けられています。

そしてこの条文の罰則規定としては164条で

第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、
第四十七条第一項（第四十九条第二項において準用する場合を含む。）、
第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、
第五十七条又は第五十八条第六項若しくは第七項
の規定による申請をすべき義務がある者がその申請を怠ったときは、
十万円以下の過料に処する。

との条文があるのですが。。。。。

これまで、
「登記官が調査をして登記義務違反を摘発した」とか
「登記義務違反で過料を支払った」等の話をお客さまからも聞いたことがありませんし、
この道30年以上のﾍﾞﾃﾗﾝ調査士先輩達に尋ねてみても
「そんな話は聞いたことがない。」ということでした。

これまで自分が受任した例でも
「１０年前に増築したが増築部分未登記であった」
ため床面積変更による表題部変更登記を申請した際にも
登記官から過料を請求されることはありませんでした。

これはあくまでも私見ですが、上記の条文は登記申請を促すための
条文であり、実際にｷｯﾁﾘ運用されることは少ないと思います。


　　：：：：：：：：：：：：以下「余談」ですが：：：：：：：：：：
登記官が申請もないのに増築したかどうかを調べることは少ないのですが、
税務署では増築部分を航空写真等でｷｯﾁﾘ調べている人がいるらしいです。
そして床面積が増えたと思われる場合には大まかに床面積を算出して
（実際にどうのように算出するかはわかりませんが）課税しているようです。

その場合は、家屋の固定資産税評価証明に
「登記面積　100㎡　現況面積１２０㎡」等と記載されています。

　　　：：：：：：：：：：：：以下本文とは関係ないのですが：：：：：：：：：：
先日、打合せの合間をぬって善福寺公園で花見をしました。
相生橋を通るといつもおいしそうな香りがして気になっていた
カラフルな焼き芋屋さん↓

で焼き芋を買おうと思ったのですが、思いのほか大盛況で、40分待ちといわれ
買えませんでした。
こういうのって、そのﾀｲﾐﾝｸﾞを逃すとなかなか食べる機会がないんですよね。
来年の秋まで楽しみにとっておくことにします。

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